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国内の植林問題解決の第一歩! 北九州市立大学と産学協同で 集成材(圧縮材)の製造方法に関する特許取得!

「Design Your Life」をグループメッセージに掲げる、メルディアグループ株式会社三栄建築設計(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小池信三、以下、三栄建築設計)は、 公立大学法人北九州市立大学(所在地:福岡県北九州市小倉南区、理事長:津田純嗣、以下、北九州市立大学)と産学協同で、私達が直面する環境と資源問題に対して、積極的に挑戦を続けています。その最初の成果として「集成材(圧縮材)の製造方法に関する特許」を取得いたしました。

■特許取得の背景
当社は、2016年4月より、北九州市立大学とともに、“無限の可能性を秘めた木という素材の新発明、新発見”をテーマに行っている研究開発の一貫として、「国内植林資材の積極活用」に関する研究を続けております。この研究は、主に国内で大量に植林されている杉材と比較して、安価な輸入材を主に使用している日本の建築業界において、国内植林資材を積極活用できるような資材や製造方法を開発し、流通させることを目的としております。


■特許の詳細
今回取得した特許は、「集成材(圧縮材)の製造方法に関する特許」となっております。これは、従来からの圧縮を用いた集成材の製造工程では、どうしても工程と手間や時間が増加してしまい製造コストが高くなってしまうという欠点を解消する製造技術であります。従来の方法では、原材料に加工されたひき板などを使う必要がありましたが、本特許は、原木(丸太)の状態でも集成材化することを可能にしております。さらに、従来は同時に行なっていた圧縮・乾燥という工程を別工程でおこなえるようにした事により、製造コスト低減の可能性を広げております。
現時点では、本特許による建築構造材としての製品化には、いくつかの課題があります。現時点では、丸太を原料に使った場合、JASの集成材の規格からはずれるため、大臣認定などの取得が必要になることや、圧縮された木材が共通に持つ高湿度環境下における「形状の戻り」に対して十分な実績を重ねる必要があることなどです。しかし、これらの課題を乗り越えることにより、日本が抱える植林問題の解決を図ることができる可能性がある特許であると考えております。

【従来の圧縮による集成材の製造工程】
1.原木(丸太)を伐採後製材所へ運搬、ひき板状に加工
2.数日〜1週間の高温乾燥、もしくは、半年から1年の自然乾燥
3.ひき板及び小角材などの木質材料を密閉容器に入れ、水蒸気によって軟化させる
4.その状態で繊維方向に垂直に圧縮・固定化する

通常の製造工程では、3の軟化工程と4の圧縮・固定化工程を同一密閉容器内で行うため、4の工程終了まで、次の製造に取り掛かることができない。そのため、生産性を高める上でのボトルネックが生じている。また1の工程では、現状国内植林では伐採・運搬・加工費が高く、圧縮を行わない一般の集成材でも、すでにひき板状に加工された輸入材を使用していることがほとんどである。

【本特許による製造工程】
1. 複数の丸太または、複数の分割丸太をそのまま使用(加工手間ほぼなし)
2. 丸太を密閉容器に入れ、水蒸気によって軟化させる
3. 柔らかくなった丸太を取り出し、圧縮機で圧縮・固定化
4. 3週間程度の自然乾燥

上記2において加工手間がほとんど発生しない。また、2の工程後、容器から取り出すことによって、容器が空き、すぐに次の丸太の軟化に取り掛かれるため、生産性が向上。4の工程でも通常の製造工程と比較して時間が短縮。また、自然乾燥のため、製材まで機械稼働が少なくなる。

■特許情報
発明の名称 集成材の製造方法
出願番号  特願2018-525271
特許番号  特許第6530865号
出願日   2017年6月29日
登録日   2019年5月24日
出願人   株式会社三栄建築設計、公立大学法人北九州市立大学

■今後の研究・開発の方針
当社は、“無限の可能性を秘めた木という素材の新発明、新発見”をテーマに行っている研究開発の一貫として
引き続き国の課題である「国内の植林資材活用」に対して、北九州市立大学と連携を強め、積極的に研究開発を進めてまいります。今後においては、本特許による製造を確立し構造材としての製品化を目指す検討を開始しております。

■北九州市立大学敷地内に、実験・研究施設を建設(別プレスリリース参照)
上記のとおり、今後さらなる研究開発を進めるべく、当社の資金提供により(一部、国からの助成金による)北九州市立大学ひびきのキャンパス敷地内に、実験・研究施設の建設を開始しております。

【製材前後の写真】

特設サイトはこちら
https://meldiagroup.com/csr/research.html

【当リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社 三栄建築設計
管理本部 経営企画部 広報室 榎本・大野
電話:03-5381-3213 FAX:03-5381-3208
メール:prd@meldia.co.jp

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